「障害福祉従業者処遇改善緊急支援事業補助金」の実務ポイント

令和7年度補正予算により、「障害福祉従業者処遇改善緊急支援事業補助金」(以下、「本補助金」と言います。)が始まります。人材流出を防ぐための緊急的な賃上げ支援が位置づけです。

【目的】
障害福祉分野の人材不足が厳しい状況にあるため、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、必要な対応を行うこととされている令和8年度障害福祉サービス等報酬改定の時期を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げの支援を行うことを目的とする。

例えば、埼玉県では、申請受付開始予定が1月下旬~2月上旬とされており、都道府県によっては想定より早い対応が求められます。名前のとおり、スピード感のある手続きになる可能性が高い点には注意が必要です。
なお、今回は相談支援のサービスも対象になっていますが、要件等を整理してお伝えしたいため、別の記事で取り上げます。

 

制度の概要

実施主体:都道府県
対象職員:障害福祉事業所に勤務する職員(福祉・介護職員以外も含む)
補助額(利用者ごとの補助額):基準月の障害福祉サービス等総報酬 × 交付率

 

基準月

原則は12月ですが、1~3月も選択可能です。
ただし、2・3月を選択すると、月遅れ請求や過誤調整が間に合わないリスクがあります。「令和8年3月末までに生じ、4月10日までに受理されたものを反映しても差し支えない」とされていますが、最終的な判断は都道府県次第です。

 

主な要件(障害児サービス・障害福祉サービス)

※相談支援は別記事で取り上げます。

1,原則、基準月において、処遇改善加算を算定していること。
(申請時に処遇改善加算を算定している又は処遇改善加算を令和8年度中に算定することを誓約で申請も可能)

2,
処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ
以下のいずれかを満たす必要があります。
・経験・技能のある障害福祉人材職員1名以上の年収見込が460万円以上
・職場環境等要件を14項目以上の取組を実施

いずれも令和8年度中の実施を誓約することで申請可能とされています。
中・大規模展開しているところを除き、後者(職場環境等要件)が多くなることが考えられます。

処遇改善加算Ⅲ・Ⅳ
職場環境等要件を8項目以上実施(同様に誓約可)。

 

対象経費と注意点

本補助金は、新たな賃金改善(基本給、手当、賞与等)が前提です。

交付決定前に決まっていた賃上げの原資には不可↓

本事業の交付の決定前に決まっていた賃金改善の原資にすることや、本事業の交付の決定前に決まっていた賃金改善の代わりに本事業により賃金改善を行うことも本事業の趣旨に反するため認められない。

・本補助金は全額を賃金改善に使用
・「基本給による改善が望ましい」とされていますが、実際は、手当・一時金の対応にならざるを得ないところと思います。

 

その他の留意点

・一部職員や一部事業所に著しく偏った配分は不可
・職員への説明・周知が必須
・労働基準法等の労働法規の遵守が前提

 

対象外となる事業所

・令和8年4月以降に新規開設する事業所
・申請時点で廃止・休止が明らかな事業所

 

現時点で不透明な点(都道府県による)

・計画書の申請期間
・実績報告の時期(いつまでに賃上げ実施する必要があるか)
・本補助金の支払時期

都道府県によっては、申請から実績報告までタイトなスケジュールが示されています。
今後の通知等を踏まえ、早めの判断と準備が重要になりますので、都道府県からの通知を確認してして対応していきましょう。

※参考資料(埼玉県ページに要項等が掲載されています。実は、1月18日現在、厚労省に問い合わせても、まだ詳細が降りてこないので対応できないという回答なので、都道府県が先行して動いている印象です。)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0605/syogukinkyu.html

 

 

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